日税FPメルマガ通信 第383号

1億円の運用ポートフォリオの組み方は?
安全に増やす方法を紹介

2023年4月20日発行

 

資産運用で大切なことは、リスクが異なる複数の金融商品を同時に保有し、ポートフォリオを上手に組んでリスクを平準化することだと言われています。
1億円の資産を上手に運用できれば、利回り生活を送ることも夢ではありません。
この記事では、1億円の運用ポートフォリオの組み方や資産を安全に増やす方法について解説します。

1.1億円の資産運用におけるポートフォリオの必要性

資産運用において、ポートフォリオとは「資産の組み合わせ」という意味があります。
一つの金融商品に偏った投資をすると、失敗したときに大きな損失を被る可能性があり、リスクが大きくなります。
一方で、複数の金融商品に対してバランス良く投資をすれば、それぞれの資産が異なる価格変動をすることになります。大きな損失をだしたとしても、ほかの金融商品でカバーすることができるため、全体でみればリスクを抑えることができるのです。
また、株式や投資信託、REITなど複数の資産を保有する場合、ポートフォリオをグラフなどの図式にすることで、資産全体に対する金融商品の割合、リスク・リターンのバランスなどを視覚的に把握できるようになります。
適切な資産管理、安全な資産運用をするためにも、ポートフォリオは必要なのです。

2.1億円の資産運用におけるポートフォリオの組み方

ポートフォリオの必要性を理解したところで、次は実際にどう組めば良いのかを解説していきます。

(1)ポートフォリオの種類
ポートフォリオには、一般的に「純資産ポートフォリオ」「マネーポートフォリオ」「証券ポートフォリオ」という3つの種類があります。

1億円の資産運用を始める場合、これまでポートフォリオを作成したことがないのであれば、まずは「純資産ポートフォリオ」を作成し、すべての資産を把握することが大切です。
そのうえで、預貯金を含むマネーポートフォリオ、投資用には証券ポートフォリオを作成すると良いでしょう。

(2)資産を減らさないことが大事
資産運用で大切なことは、リターンを得ることだけではありません。
どちらかと言えばリスクを最小限に抑え、手元の資産を減らさないことのほうが重要だとも考えられます。
特に1億円というまとまった資産を運用するのであれば、大きなリスクをとる必要はないでしょう。
ローリスクな金融商品はリターンも少なくなりますが、投資額が大きければ、その分リターンは大きくなります。

(3)ある程度のリターンも期待したい
安全性を考慮するだけではなく、「ある程度はリターンが欲しい」という場合は、1億円の一部を積極投資に回すことを検討しましょう。
1億円の運用ポートフォリオを組む場合、1割程度は積極的にリターンを狙う投資信託や株式投資などに分配し、残りの9割程度は安全性の高い金融商品で運用するようにすれば、安全性を確保しながらも、ある程度のリターンが期待できます。

(4)必ず必要な資金は預貯金で確保
1億円の手元資金があったとしても、すべてを投資に回すことは避けたほうが良いでしょう。
生活に必要な資金はもちろん、教育資金や住宅購入資金など、近い将来使う予定がある資金については、いつでも引き出せる預貯金として残しておくのがおすすめです。

ただし、預貯金として保有する場合も一定のリスクはあります。
日本には「ペイオフ」という預金保険制度がありますが、万が一、銀行や証券会社が破綻した場合、一つの金融機関ごとに保証される預金者の元本は1,000万円までです。
つまり、1億円をすべて預貯金として所有していた場合、その金融機関が破綻すれば9,000万円を失うリスクがあるということです。

ペイオフ対策として代表的なのものは、「複数の金融機関に分散して預ける」という方法です。
複数の金融機関に預貯金を分散しておけば、仮に複数の金融機関が同時または立て続けに破綻する金融危機に陥ったとしても、1つの金融機関に対して1,000万円まで保証されるので、2つの金融機関を利用していれば2,000万円まで、3つの金融機関に分散させておけば3,000万円まで保証されることになります。

3.1億円を安全に増やす方法は?運用ポートフォリオの相談先

1億円の資産運用を始めるときは、資産全体を把握したうえで、どれくらいを運用に回すのか、積極投資をする割合をどう設定するのかなどを検討し、目的に合った運用ポートフォリオを組むことが大切です。
また、1億円というまとまった資金を運用するのであれば、リスクをとって大きなリターンを狙うのではなく、手元にある資産を減らさないことを重視して、安全に増やす方法を考えてみましょう。

1億円を安全に増やす方法やポートフォリオの組み方は、プロに相談するのがおすすめです。
相談先としては、銀行や証券会社、FPなどがありますが、長期的な運用を考えるのであればIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)に相談してみてはいかがでしょうか。

IFAは、銀行や証券会社といった特定の企業に属さず、顧客に対して中立な立場でお金のアドバイスを行う専門家のことです。顧客一人ひとりのライフプランや希望に合わせて、最適なポートフォリオと具体的な金融商品の提案、購入サポートも可能です。
また、IFAは企業に属するFAやFPと異なり、転勤や部署移動などはありません。
顧客の資産運用を長期間サポートするため、一生涯のお金の相談ができるパートナーとしても最適です。

4.1億円の運用ポートフォリオはIFAに相談しよう

1億円の資産運用を始めるなら、適切なポートフォリオを組むことが重要です。
「ポートフォリオの組み方が分からない」、「自分に合ったポートフォリオを組みたい」という場合は、資産運用のプロであるIFAに相談するのがおすすめです。



<著者プロフィール>

福田 猛

ファイナンシャルスタンダード株式会社 代表取締役

大手証券会社を経て、2012年に金融機関から独立した立場で資産運用のアドバイスを行うIFA法人ファイナンシャルスタンダード株式会社を設立。資産形成・資産運用アドバイザーとして現役活躍中。2015年楽天証券IFAサミットにて独立系アドバイザーとして総合1位を受賞。東京・横浜を中心に全国各地でセミナー講師としても活躍し、大好評の「投資信託選びの新常識セミナー」は開催数240回を超え、延べ8,000人以上が参加。新聞・経済誌等メディアでも注目を集める。著書に『投資信託 失敗の教訓』(プレジデント社)等がある。


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参考

経済金融情報メディア「F-Style」:https://fstandard.co.jp/column/

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