日税FPメルマガ通信 第369号

投資信託の買い方は 「一括投資」「積立投資」「ブレンド投資」どれがいい?
2022年9月20日発行

 

投資信託などの投資は手元に投資資金が豊富にある裕福な人がするものというイメージがありました。
しかし、つみたてNISAやiDeCoが普及するに連れて、比較的リスクを抑えて安定したリターンが期待できる積立投資も注目されています。
投資信託をするなら、「一括投資」・「積立投資」、そしてこれらを組み合わせた「ブレンド投資」どれがいいのでしょうか?
投資信託の買い方で迷っている人は参考にしてください。


1.投資資金が少ない人は積立投資

手元にまとまった投資資金がない人は、積立投資で定期的に少額でも資金を出していくと、いずれは大きな資金になり、大きなリターンが期待できるようになります。
さらに積立期間が長期になれば、一括投資の投資資金を上回ることもあるでしょう。
積立投資は目安として15年や20年、あるいはそれ以上の運用を想定している人にとっては非常にメリットが大きくなる投資方法です。

2.投資効率を上げたい人は一括投資

投資全般に言えることですが、同じ投資利回りの商品であれば、元本が大きいほうが有利になります。
例えば投資信託の基準価格が5%値上がりしてした場合、100万円を一括投資していれば利益は5万円、積立投資で1万円ずつ積み立てている人の利益は500円です。つまり、一括投資のほうが利益は大きくなります。

このように投資信託の基準価格の上昇率が同じなら、一括投資をしたほうが得られる利益は大きくなるため投資効率が良いと言えます。 しかし、逆に基準価格が下がった場合は、一括投資のほうが損失は大きくなるため一括投資は積立投資よりもリスクが高い投資と言えるでしょう。

3.投資信託のリスクを抑えたい人は積立投資

積立投資を「定期的に一定額」購入すると、平均購入単価が下がるため、投資で損失が出にくくなる傾向があります。このように定期的に一定額で投資商品を買い付ける買い方のことをドルコスト平均法と言います。

基準価格が変動する投資信託を、「毎月1万円ずつ」購入する方法と、「毎月1万口ずつ」購入する方法で比較してみましょう。



ポイントになるのは2ヶ月目と3ヶ月です。2ヶ月目は投資信託の基準価格は下がっていますが、毎月1万円ずつ購入していると、基準価格が下がったおかげで、多くの口数が購入できています。3ヶ月目は、基準価格は上昇しているので、口数はさほど購入できていませんが、すでに所有している投資信託の資産価値が上昇します。
最終的に4ヶ月合計で40,000円を投資しているにもかかわらず、毎月1万円ずつ購入したほうが多くの口数が購入できることになり、平均購入単価が下がっていることが分かります。

投資のリスクを抑えたい人は、積立投資で、なおかつ「定期的に一定額」を購入する方法がおすすめです。

ただし、投資信託が長期間下落している場合は効果がないなど、万能ではないため注意が必要です。

4.ブレンド投資は有効か?

ブレンド投資は一括投資と積立投資の良いところをとった投資方法です。ある程度、投資効率を上げながら、リスクも抑えたいという人はブレンド投資がおすすめです。

また、普段は積立投資をしているものの、基準価格が下がった時点を見計らって、まとまった金額の口数を一括で購入しておくと、値上がりをしたときに大きな値上がり益が期待できます。

このようにブレンド投資をする場合は、普段はリスクが少ない積立投資で運用して、基準価格が底値になったタイミングを見計らって一括で購入する方法がおすすめです。

5.まとめ

投資信託の買い方には、一括投資・積立投資・ブレンド投資の3種類あります。投資資金が多い人や、投資効率を上げたい人は一括投資、手元にある投資資金が少ない人や、少しでもリスクを抑えて運用したい人は、積立投資を活用すると良いでしょう。

またブレンド投資は、投資効率を上げ、なおかつリスクをある程度抑えたい人が向いています。ブレンド投資を活用するなら、普段は積立投資をして、基準価格が底値になったと判断したタイミングを見計らって一括投資を取り入れる買い方がおすすめです。



<著者プロフィール>

福田 猛

ファイナンシャルスタンダード株式会社 代表取締役

大手証券会社を経て、2012年に金融機関から独立した立場で資産運用のアドバイスを行うIFA法人ファイナンシャルスタンダード株式会社を設立。資産形成・資産運用アドバイザーとして現役活躍中。 2015年楽天証券IFAサミットにて独立系アドバイザーとして総合1位を受賞。 東京・横浜を中心に全国各地でセミナー講師としても活躍し、大好評の「投資信託選びの新常識セミナー」は開催数240回を超え、延べ8,000人以上が参加。新聞・経済誌等メディアでも注目を集める。著書に『投資信託 失敗の教訓』(プレジデント社)等がある。


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参考

経済金融情報メディア「F-Style」:https://fstandard.co.jp/column/

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