株式投資型クラウドファンディングを利用すると、未上場のベンチャー企業に投資をすることができます。
未上場のベンチャー企業への投資は、大きなリターンを得られる可能性もありますが、必ず成長するとは限りません。
この記事では、株式投資型クラウドファンディングの概要や、メリットとデメリットについて解説しています。
クラウドファンディングとは、インターネットを通じて不特定多数の出資者から資金を集める資金調達方法です。
クラウドファンディングの分類方法はさまざまですが、主に以下のように分類され、株式投資型クラウドファンディングはその一部という位置付けにあります。
株式投資型クラウドファンディングは、ベンチャー企業がインターネットを通じて不特定多数の出資者から少額ずつ資金を集め、出資者には対価として未公開株を渡す資金調達方法です。
将来的に出資した企業が上場したり、M&Aで買収されたりして株価が上昇すれば、出資者は大きなリターンを得ることができます。
株式投資型クラウドファンディングのメリットについて、出資者と企業に分けて考えてみましょう。
出資者はクラウドファンディング事業者を通じて未上場のベンチャー企業に投資をすることができます。
各クラウドファンディング事業者ともに、取扱案件に特徴があるので、ベンチャー企業への投資を検討している場合は、各社比較してみるとよいでしょう。企業によっては、商品や施設の割引など株主優待を用意している場合もあります。
また、一定要件を満たしたベンチャー企業への投資であれば、エンジェル税制が適用される可能性があります。
エンジェル税制とは、ベンチャー企業に投資をした個人投資家に税制上の優遇措置を行う制度で、ベンチャー企業への投資を促進するために設けられている制度です。
事業内容が魅力的であれば、1日もたたずに目標とする金額を調達することも可能です。
資金を募るためにインターネットを通じて自社の事業内容を広範囲に紹介するため、未上場の段階から、自社の商品やサービスのファンが生まれる可能性もあります。
また、株主投資型クラウドファンディングは、1投資家が1つの企業に投資できる金額の上限を年間50万円としています。
そのため、未公開株式を多く購入されてしまい、経営権を奪われてしまうことがありません。
次にデメリットについて、出資者と企業それぞれのケースで見ていきましょう。
出資したベンチャー企業が上場やM&Aによって企業価値が向上すれば、株価が上昇して大きなリターンを得られますが、投資効果がでるまでに時間がかかったり、最終的にベンチャー企業が失敗してしまったりする可能性もあります。
そのため、株式投資型クラウドファンディングは、極めてリスクの高い投資であるということを心得ておきましょう。
企業が資金調達できる金額の上限は年間1億が上限であることや、投資勧誘の方法がインターネットや電子メールによる方法に限定されている点もデメリットといえるでしょう。
また、クラウドファンディング事業者を通すので、事業者への手数料もかかります。
株式投資クラウドファンディングは、クラウドファンディング事業者を通じてベンチャー企業に投資をすることができます。
必ずベンチャー企業が成功するとは限らないというリスクはありますが、ベンチャー企業が上場やM&Aによって企業価値が高まれば大きなリターンを得ることができます。
まず、各事業者でどのような投資先があるのかチェックするところからスタートしてみてはいかがでしょうか?
<著者プロフィール>
福田 猛
ファイナンシャルスタンダード株式会社 代表取締役
大手証券会社を経て、2012年に金融機関から独立した立場で資産運用のアドバイスを行うIFA法人ファイナンシャルスタンダード株式会社を設立。資産形成・資産運用アドバイザーとして現役活躍中。 2015年楽天証券IFAサミットにて独立系アドバイザーとして総合1位を受賞。 東京・横浜を中心に全国各地でセミナー講師としても活躍し、大好評の「投資信託選びの新常識セミナー」は開催数240回を超え、延べ8,000人以上が参加。新聞・経済誌等メディアでも注目を集める。著書に『投資信託 失敗の教訓』(プレジデント社)等がある。
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参考
経済金融情報メディア「F-Style」:https://fstandard.co.jp/column/
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