日税FPメルマガ通信 第349号

おすすめしない投資信託の種類や特徴、銘柄選びの注意点を解説
2021年11月22日発行

 

資産運用と聞くと、投資信託を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。投資信託は上手に運用することで資産を増やすことができますが、逆に資産を減らしてしまうリスクもあるため、初心者は特に注意が必要です。


そこで今回は、資産運用初心者の方に向けて、おすすめしない投資信託の種類や特徴、銘柄選びの注意点を解説していきます。


1.投資信託とは

投資信託とは、分かりやすく説明すると、投資家から集めたお金を資産運用の専門家が運用し、得た利益を投資家に分配するという金融商品のことです。


投資信託は、少額の資金から始めることができ、かつファンドマネージャーなどの専門家に運用を任せられるため、初心者でも始めやすい資産運用の方法として人気があります。また、個人投資家のための税制優遇制度であるNISAやつみたてNISAが利用できる点もおすすめできるポイントです。


2.おすすめしない投資信託の種類や特徴

投資信託は資産運用の初心者にもおすすめの方法ですが、すべての投資信託がおすすめというわけではなく、なかにはおすすめしない投資信託もあります。
ここからは、おすすめしない投資信託の種類や特徴について解説していきます。


・テーマ型ファンド

テーマ型ファンドとは、例えばAI、ロボットといったテーマを決めて、テーマに関係する特定の業界や企業に投資する投資信託です。


テーマとなるものは話題性が高いものが多いため、流行に上手にのることができれば大きな利益が期待できますが、商品化された時点では価格がかなり高くなっていることが多いという傾向があります。
そのため、テーマ型ファンドは投機的な要素が強く、短期運用になりやすいため、あまりおすすめはできません。


・毎月分配型ファンド

毎月分配型ファンドとは、投資信託によって得た利益を毎月投資家に分配する商品です。
毎月分配型ファンドで注意しなければならない点は、毎月分配金があるからといって必ずしも収益が出ているとは限らないことです。


運用による利益が出なかった場合、毎月分配型ファンドは純資産から出資者に配当を支払います。そのため、純資産が減少してしまう可能性があり、長期的な視点で考えるとおすすめしない投資信託の一つです。特に純資産の減少が目立つファンドには注意するようにしましょう。


・通貨選択型ファンド

通貨選択型ファンドとは、株式や債券など投資信託の投資対象となる資産にプラスして、投資対象通貨も選ぶことができる投資信託の種類です。


通貨選択型ファンドは、通常の利益にプラスして為替差益の利益が期待できるというメリットがありますが、その分為替の影響を受けやすく、新興国など比較的リスクが高い通貨も多いため、資産運用の初心者にはおすすめしないことが多い投資信託の種類です。


・レバレッジ型ファンド

レバレッジ型ファンドとは、商品先物取引などを活用することで、2倍~3倍のレバレッジを効かせて高い運用結果をめざす投資信託です。


レバレッジを高く設定すれば少ない資金で大きな利益が期待できますが、その分損失額も大きくなるため、資産運用の初心者には特におすすめしない投資信託の一つです。


・信託報酬・手数料が高いファンド

信託報酬とは、投資信託を専門家に運用・管理してもらうために支払う費用のことで、投資信託を始めるときは、信託報酬や手数料の金額についても、しっかりと確認しておくことが大切です。


信託報酬や手数料の高いファンドは、当然ならがその分利益が下がるため、思うように利益が得られない可能性があるでしょう。
ただ中には手数料に見合う付加価値(リターン)をもたらしてくれるファンドも存在するので、しっかりとした選別を行うことが重要といえそうです。


3.投資信託に失敗しない方法はある?

ここまでは、おすすめしない投資信託の種類や特徴を紹介してきましたが、銘柄選びを間違えなければ、投資信託は失敗しにくいおすすめの資産運用方法だと言えます。
投資信託を始めるときは、短期的に大きなリターンを求めるのではなく、長期的な視点で戦略を立てることが大切です。


老後資金を確保する、子どもの教育資金を確保するなど、資産運用を始める目的によって、どれくらいの利益を目標にするのかは変わってくるでしょう。
長期的な視点で具体的な運用目標を立てておくと、おいしい話に乗せられたり、ハイリターンを狙ったギャンブル性の高い投機をしてしまったりといった失敗を防ぐことができます。


また、手元にある資金を減らすことなく着実に増やすためには、投資対象や運用方針の異なる複数の投資信託を組み合わせて運用する分散投資も有効です。 複数の投資信託を組み合わせながら長期間運用することで、短期間の値動きに左右されることなく、最終的に利益を得られる可能性を高めることができます。




<著者プロフィール>

福田 猛

ファイナンシャルスタンダード株式会社 代表取締役

大手証券会社を経て、2012年に金融機関から独立した立場で資産運用のアドバイスを行うIFA法人ファイナンシャルスタンダード株式会社を設立。資産形成・資産運用アドバイザーとして現役活躍中。 2015年楽天証券IFAサミットにて独立系アドバイザーとして総合1位を受賞。 東京・横浜を中心に全国各地でセミナー講師としても活躍し、大好評の「投資信託選びの新常識セミナー」は開催数240回を超え、延べ8,000人以上が参加。新聞・経済誌等メディアでも注目を集める。著書に『投資信託 失敗の教訓』(プレジデント社)等がある。


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参考

経済金融情報メディア「F-Style」:https://fstandard.co.jp/column/

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