日税FPメルマガ通信 第343号

企業オーナーが知らないと損する「法人クレカ」の活用法とは?
2021年8月20日発行

 

企業間の取引であってもオンライン決済を使用するケースが増えてきたことで、法人クレカをお持ちの企業オーナーは増加の傾向にあります。
出張経費の精算や、納税にも使用できる法人クレカをうまく活用されている企業オーナーが多い一方で、まだまだ十分に活用できていないという方も少なくありません。


企業オーナーの皆さまにとって最適な、知らないと損する法人クレカの活用法をまとめて解説します。


1.法人クレカでもポイント還元が増える傾向

法人クレカは年会費が高く、個人用のクレジットカードと比べるとポイント還元などの付帯サービスでも見劣りするというのが、以前は一般的でした。
しかし、このところクレジットカード各社では法人クレカのサービス充実に取り組んでおり、ポイント還元率を高く設定するケースが増えています。


法人クレカで得られたポイントやマイルは、会社の所有となりますので完全な個人利用には使用することができませんが、会社で物品を購入する際に利用すれば経費を削減することができます。
ポイント還元が1%を超える法人クレカも発行されていますので、オンラインサービスの利用で毎月の支払いが生じる場合などには、還元率の高いカードを使用することをおすすめします。


2.部署ごとの経費把握に有効な追加カード

法人クレカでは多くの場合、個人向けクレジットカードの家族カードに相当するような、追加カードという仕組みがあります。
追加カードは、メインの法人クレカに紐づけて発行されるものですので、引き落としの銀行口座はメインカードと同じで、還元されたポイントもメインカードに付与されます。


年会費がかかるために追加カードを作っていないという企業オーナーが多いですが、追加カードがあることによって、部署ごとに経費の支払いを分けることの効果は高いです。
例えば、メインカードを代表者が、追加カードを総務担当者と営業責任者がそれぞれ持っていることによって、どの部署での出費なのかをスムーズに把握することができます。


また、少人数で事業をされている企業オーナーの場合には、ご自身でメインカードと追加カードの2枚を持ち、出費の種類によって使い分けることでも経費の管理が分かりやすくなります。
上手く使い分けることによって得られる効果は、年会費を大きく上回るものになります。


3.公共料金や税金、保険でポイント還元を受ける

企業がどうしても支払わなければならない出費として、公共料金や税金があります。
また、企業オーナー、自身や役員などにかけている法人名義の保険料も、毎月の定期的な支払いです。


これらの月々の支払いの多くはクレジットカードでの支払いに対応しています。
自動的に支払いが完了するという意味では銀行からの引き落としでも問題がありませんが、これらの支払いであってもポイント還元が受けられますので、法人クレカの方が経費削減効果があります。


毎月の電気使用量などを1%削減することは意外と難しいものですが、クレジットカードを登録するだけで同じように1%の経費削減となります。


4.法人クレカの活用法まとめ

個人用のクレジットカードと比較すると使い勝手が悪いように感じる法人クレカですが、やはり経理業務の負担軽減には大いに役立ちます。
会計ソフトと連動させることで自動的に仕訳が可能な法人クレカも多いですので、貴重な社内の人的リソースを経理業務だけに忙殺させないためにも、しっかりと活用していきたいところです。


また、法人顧客からの売上代金の受け取りにクレジットカード決済を導入することで、顧客にもメリットが生まれますので、自社の商品やサービスの決済方法の見直しも含めて検討されることもおすすめいたします。



<著者プロフィール>

福田 猛

ファイナンシャルスタンダード株式会社 代表取締役

大手証券会社を経て、2012年に金融機関から独立した立場で資産運用のアドバイスを行うIFA法人ファイナンシャルスタンダード株式会社を設立。資産形成・資産運用アドバイザーとして現役活躍中。 2015年楽天証券IFAサミットにて独立系アドバイザーとして総合1位を受賞。 東京・横浜を中心に全国各地でセミナー講師としても活躍し、大好評の「投資信託選びの新常識セミナー」は開催数240回を超え、延べ8,000人以上が参加。新聞・経済誌等メディアでも注目を集める。著書に『投資信託 失敗の教訓』(プレジデント社)等がある。


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参考

経済金融情報メディア「F-Style」:https://fstandard.co.jp/column/

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