日税FPメルマガ通信 第254号

 

   

<資産運用コンサルティングのポイントVol.51 企業業績を「先読み」 株式投資で役立つ経済指標とは?-前篇->

 

平成28年11月15日発行

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 株式会社ZUUの押田です。株価は様々な要因で変動します。政治情勢・経済動向はもちろん、天災やスキャンダルなどのイベントが株価材料になります。最近では、米大統領選挙の行方をめぐり、日本の株式市場も大きく揺れ動きました。しかし、最終的は株価の変動要因はやはり「企業業績」です。そこで、業界・企業業績動向を読む上で注目するべき経済統計・経済指標について2回に分けて見ていきたいと思います。

 

■産業別「注目すべき経済統計・経済指標」

 株式投資で成功する確率を高めるには、企業業績の動向を見定めることが重要となります。その大きな助けとなるのが種々の経済指標です。ここで大事なのは、個々の企業に対して、より直接的に影響を及ぼす要因や指標を見極めることにあります。。

 

 例えば、有名な経済指標である「GDP(国内総生産)」は一国の経済成長を測るマクロ指標としては重要ですが、個別企業の業績動向を見るうえでは範囲が広すぎてしまいます。個別銘柄に投資をする際にはどのような指標に注目すれば良いのでしょうか。

◯製造業

 製造業では、「機械受注」と「鉱工業生産指数」が代表的な指標として挙げられます。月次の結果が1~1.5カ月後に公表されるため、速報性も比較的優れているといえるでしょう。機械受注は先行きの売上高を示す指標になります。電子・通信機械や工作機械、船舶など大くくりの分類のほか、半導体製造装置や建設機械など機種別の受注とその手持ち残高もわかるため、例えば東京エレクトロンやコマツの毎月の動向を知ることができます。

 

 調査範囲の広い鉱工業生産指数は、鉄鋼や電子部品など500近い品目の生産、出荷、在庫状況に加え、品目によっては稼働率や2カ月分の生産予測を示したものです。電子部品メーカーであれば、その主力製品の数字を追えばよいです。その月の生産が好調でも在庫が増え過ぎていると翌月以降に生産調整が行われる可能性があるなどの判断材料になります。

 

◯自動車、電子部品業界

 業界団体や調査会社が公式統計より詳細な機種・品種分類や仕向先地域別の受注・販売実績のデータを公表している場合もあります。代表例は自動車で、国内はもとより、米国や中国など世界主要市場における車種別の月次販売動向、地域によっては1台当たりのインセンティブ(値引額)まで知ることができます。

 

 また、自動車や電子部品などの輸出産業では為替レートや現地の生産・在庫や輸出入動向も大きな判断材料になる。例えば世界最大のセラミックコンデンサー・メーカーの村田製作所ではスマートフォンの生産動向が大きな収益変動要因であるため、その最大生産拠点である中国のスマホ生産の動向が気になるところです。この場合は、同国の電子部品や生産用ロボットの輸入状況を調べれば大いに参考になります。

 

<著者プロフィール>押田裕太

大和証券にて中小企業経営者をはじめとする富裕層向けに資産コンサルティングをおこなう。その後、株式会社ZUUに入社。入社後は、現在配信先含めて月間2000万アクセスを超える投資家向け金融・経済メディア ZUU online の運営に携わる。金融担当として、日々アナリストなどの金融専門家への取材等を通じ、個人投資家に役立つ情報を提供。Yahoo!ファイナンス 投資の達人としても執筆をおこなっている。

参考

ZUU online:http://zuuonline.com/

ZUU Advisors-Support:http://support.zuuadvisors.com/

 

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