日税FPメルマガ通信 第327号

<「外貨建て保険」とは?その特徴と一歩先の運用方法について 前編>
2020年7月30日発行

 

 

保険会社や銀行を中心に加入者が急増している「外貨建て保険」。万が一の備えだけではなく、資産運用も行うことが出来るということで、現役世代からシニア世代に至るまで幅広く活用されています。

本稿では、外貨建て保険の基本的な仕組みから、一歩先の運用方法に至るまでを解説します。

 

1.「外貨建て保険」の特徴について

外貨建て保険は、保険料の支払いから、保険金の受け取りに至るまでを原則外貨で行います。利用される外貨については、「米ドル」や「ユーロ」、「豪ドル」などの幅広い外貨が用いられることが多く、一般的には円建ての保険と比べて、利率が高く、資産運用で利用する方が多いのも特徴です。また、支払い方法について様々な形態がありますが、現役世代の方は月々支払いを数十年間にわたり行うケースが多く、シニア世代の方は一括で運用される方が多いと言われます。

 

2.「外貨建て保険」のメリット・デメリットについて

外貨建て保険のメリットについては、上記にもあげた通り、「運用効果」と「死亡保障」の2点になります。日本の低金利下が進む中、海外の高い金利で運用することで、高い運用効果と保障額を得ることが出来ます。デメリットについては、契約の形態によって、整理して検討する必要があります。

前述した様に、外貨建て保険の支払方法については大きく分けて2つあります。決められた期間で一定額の保険料を支払う「平準払」、契約時に保険料を一括で支払う「一時払」があります。それぞれのデメリットについて、解約時(満期時)をベースに以下解説します。

 

【一時払】
契約時に一括で保険料を支払い、解約時(満期時)に円に戻すため、為替レートの動きによっては大きな損失を生むことになります。またコストにも注意が必要です。保険商品にもよりますが、「契約時」、「契約期間中」、「解約時」など、それぞれで費用が発生するものが多く、運用効果が費用によってそがれてしまう点についても注意が必要です。

 

【平準払】
保険商品にもよりますが、決まった額(外貨ベース)を保険料で支払い、解約時(満期時)で円に戻すのが一般的です。為替リスクについては、一時払の保険と比べて、購入時為替が分散される形になり、一定程度のリスク抑制効果はありますが、全く無視できるものではありません。また、途中解約を行った場合、支払った保険料と比べて元金割れをする可能性が高く、長期間資金が固定化されてしまう点についてもリスクといえます。

 

 


 

<著者プロフィール>

福田 猛

ファイナンシャルスタンダード株式会社 代表取締役

大手証券会社を経て、2012年に金融機関から独立した立場で資産運用のアドバイスを行うIFA法人ファイナンシャルスタンダード株式会社を設立。資産形成・資産運用アドバイザーとして現役活躍中。 2015年楽天証券IFAサミットにて独立系アドバイザーとして総合1位を受賞。 東京・横浜を中心に全国各地でセミナー講師としても活躍し、大好評の「投資信託選びの新常識セミナー」は開催数240回を超え、延べ8,000人以上が参加。新聞・経済誌等メディアでも注目を集める。著書に『投資信託 失敗の教訓』(プレジデント社)等がある。

 

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参考

経済金融情報メディア「F-Style」:https://fstandard.co.jp/column/

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